満中陰志のマナー
満中陰志とは・送る時期
日本人は冠婚葬祭に関して様々なしきたりがありますが、その中でも関西に伝わるしきたりとして「満中陰志(まんちゅういんし)」というものがあります。
満中陰志は東日本や九州など他の地方では「志」と呼ばれていることが多いようです。
満中陰志というのは、四十九日の法要の際の香典返しのことです。
仏教では誰かがなくなると49日間を「中陰」と呼び、49日目の中陰が満ちる日を「満中陰」と呼びます。
満中陰はちょうど忌明けを意味しますから、満中陰から数えて1か月以内にお香典を配るのが昔からの決まりです。
満中陰志は宗教によって渡す時期が若干異なりますので、故人やご家族の宗教を確認してから渡すといいでしょう。
満中陰志というのは仏教用語ですから、キリスト教ではあまり馴染みのない習慣です。
あえて満中陰志を渡す場合には「30日祭」(仏教の四十九日にあたる)に送るといいでしょう。
神式では仏教の四十九日にあたるのが「50日祭」ですから、この時期を目安に満中陰志を送ります。
満中陰志として送るのにふさわしい品物と相場
満中陰志で送る品物としては「形が消えてなくなるもの」、いわゆる「消えもの」が一般的です。
ですから、お茶やお菓子、使うと消えてしまう石鹸などがおすすめです。
同じ食べ物の中でも生ものやお酒は満中陰志では送りませんので注意しましょう。
金額としてはいただいたお香典の半分、「半返し」が基本となります。
最近では四十九日の後ではなくて葬儀の当日に満中陰志を渡す家も増えていますが、この場合には2,000円から3,000円相当が目安となります。
2,000円から3,000円の満中陰志を渡した後にお香典が1万円以上包まれているのがわかった場合には、四十九日が終わった後に足りないぶんの金額の満中陰志を改めて送ります。
満中陰志につけるのしには「満中陰志」と表書きし、水引は黄色と白の結び切り、または黒白の結び切りを使用します。
のしには内のしと外のしの区別がありますが、のし紙をかけてから上から包装紙で包む内のしが満中陰志では一般的です。
満中陰志をいただいた時の対応
満中陰志を受け取った場合、お礼を伝えたくなるのが人情ですが、基本的には満中陰志ではお礼はしません。
満中陰志自体がお香典に対するお礼の意味がありますから、お礼に対してお礼をするのはマナーにかなっていないからです。
届いたことを感謝する言葉だけでも伝えたいと言うのであれば、手紙を送るのが一番です。
最近ではメールやLINEなど便利なツールがたくさんありますが、こういった場合にはふさわしくありません。
手紙を出す時間がないという場合は、電話でご挨拶をするのがおすすめです。